2025年6月28日に『改正風営適正化法』が施行され、1週間が経過しました。
法令の骨幹となるのは『女性に無理にお金を使わせないようにする』という点にあります。
その為、売上を競争させるような仕組みが軒並み廃止されました。
目に見えない部分では、スカウトバックや色恋営業が禁止されるなどの規制が入っています。
目に見える部分では、ホストクラブはどのような変化を遂げたのでしょうか?
ナンバー制の廃止
これがもっとも大きな規制といっても過言ではありません。
ホストは、お金を稼ぐのもちろんですが、それ以上にNo.1を目指して頑張っていました。
そのため、推してくれているお客様もそれを応援し、頑張ってお金を使っていました。
どの店舗でも『No.1〇〇』という文字とともパネル写真が飾られていました。
ホストの情報サイトでも、売上順にホストの写真が並び、【No.1】【No.2】と書かれていました。
外の看板には、巨大な写真とNo.1プレイヤーの文字が躍っていました。
それが、今は無くなっています。
ホストもお客様もモチベーションが保てなくなっているのが現状です。
役職の廃止
代表、社長、支配人、プロデューサー、マネージャー、リーダー、主任、などなど
全部廃止になりました。
なんで?って思う人も居ると思いますが。
その理由は、ホストクラブの役職は通常売上に応じて上がるからです。
〇〇に昇格したいから頑張ってお金を使わせる。
お客様も昇格させてあげたいと思ってお金を使う。
このような状況になっていたので、役職は廃止されました。
〇〇〇プレイヤーの廃止
ホストの凄さを語る上で必ずついてまわるキーワードです。
月の売上が1000万円を超えると『1000万プレイヤー』の称号が付きます。
看板はサイトには『2000万プレヤー』『5000万プレイヤー』などの文字が踊ります。
ホスト個人のSNSのプロフィールにも書かれることが多いです。
役職と同様に、この称号を得る為にホストは頑張ってお客様にお金を使わせます。
お客様もホストの格を上げる為にお金を使います。
このような状況になっていたので、役職は廃止されました。
もちろん『億の男』などの称号もNGです。
一部の通称の廃止
『カリスマ』『レジェンド』『キング』『覇者』『帝王』『神』などの優劣を表す称号も廃止です。
まぁ無駄に凄い人感が出てるので、誇大広告的な感じなのかも知れません。
でも『神』とかよくないですかね…。
お客様がお布施でもするんですか?
煽り文句の禁止
『〇〇を推せ』『〇〇に溺れろ』『一撃〇〇万円』といった煽りも禁止されました。
『職業、イケメン』といったキャッチコピーも禁止です。
ホストクラブがキャッチコピーとして使っていたりするので、看板の変更が大変です。
『一撃〇〇万円』がNGなのはわかりますが、正直やりすぎだと思います。
それをみてお客様がどんどんお金をつかいますか?ね?
ラストソングの廃止
ホストクラブでは、その日に最も売り上げたホストが最後に歌を歌う風習があります。
閉店間際のホストクラブでは、ホストとお客様が一体となってラッソンの権利を奪い合います。
ギャンブル的な要素や競りの要素があります。
これは、規制の対象となっても仕方ないと思います。
でも、ラッソンで盛り上げて閉店してきたので、無くなると寂しいですね。
一部のイベントの廃止
ホストクラブでは定期的にイベントがあります。
ハロウィンやクリスマス、バレンタインデー、七夕、夏祭りなどのイベントは平和です。
でもバトル系のイベント、特に売上バトルはお客様が使うお金で競争します。
新人王や対抗戦も同様で、売上を煽る形になるので廃止されます。
これは仕方ないですね。
役職が廃止されるので、昇格祭イベントも当然廃止されました。
また、年に1度か2度行われる表彰式のイベントも廃止です。
これはお客様に直接ではありませんが、ホスト間での競争に繋がります。
売上に対する競争は、結局お客様に無理してお金を使わせることになります。
表彰式がなくなるのは、ちょっと寂しいですね。
SNSの削除・鍵垢化
XやInstagramなどのSNSでは、今回の規制に引っかかる表現をたくさんしていました。
SNSは広告ではないので大丈夫ではないか…
過去のポストまで規制の対象にはならないでしょ…
おそらくはそうだと思います。
ですが、多くのホストクラブはそこまで頑張って対応しようとしています。
いっそ消して新しく作ろう。
そもそもラッソンとかナンバーの発表しかしてないしもういいか…
といったホストクラブも多いです。
また、見たい人だけが見るのであれば問題ないと鍵垢にするホストも多いです。
看板の撤去や塗りつぶし
看板は制作するのに時間がかかります。
今回の風営法の改正は、警察からホストクラブへの詳細な説明が施行直前でした。
色恋営業の禁止…売掛の禁止…などは事前に情報がありました。
※売掛は禁止されませんでした
しかし、看板に記載された様々な表現がNGという事は急に知らされました。
新しい看板にする時間的な余裕はなく、ホストクラブ街の看板は塗りつぶされたり撤去されたり上から覆われたりしています。
街にはディストピア感が漂っています。
まとめ
改正風営適正化法に、売掛の廃止は盛り込めませんでした。
しかし、徹底的に売り上げの競争や煽りを規制したので、効果はあると思います。
イケメンと楽しくお酒を飲む場所としてのホストクラブに戻るかも知れません。
ホストクラブがさらに発展するチャンスだと、私は思います。
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